概要

本論文ではオプションの市場価格と理論価格の差を価格付け誤差と考え、価格 付け誤差がどのような要因に依存しているか分析を行った。日経225 オプショ ンとS&P オプションの二つのデータを比較することにより、その共通点、相違 点から日本市場の特徴を考えたい。また取引がなかったオプションの原因を提 案している。モデルはオプション市場構造を考えた分散共分散行列を適用して おり不均一分散の存在を検定した。
分析結果から日本の価格差がマネネス等の変数に依存するのは日本独自の特徴 であること、権利行使価格に関する誤差はオプション市場に共通に存在してい ること、オプションの投資家は買手がリスクプレミアムを請求していることが 分かった。また、(RMSEの小さかった)日本のBS、アメリカのEGARCHモデルを 用いた理論価格で比較したところ日本よりアメリカの市場のほうが効率的であ ると考えられる。