概要

本稿では、わが国電気事業のパネルデータを用いて送配電部門の技術非効率および配分非効率を推定する。具体的には、コブ・ダグラス型関数との比較を踏まえつつ、CES型の確率的生産フロンティアを要素需要方程式とともに推定することで、費用フロンティアを再現し、それに基づき技術非効率と配分非効率が、費用および要素需要にどの程度の影響を及ぼしているのか計測する。分析の結果、両非効率が費用に与える影響は同程度であるが、技術非効率の変動が大きいことや、投入要素の最適水準からの乖離について述べる。