概要

近年の世界的な原油価格の高騰に伴い,各種石油製品の価格が上昇し市民生活に も大きな影響を及ぼしている.そのため,原油価格とその派生物である石油製品 の価格変動を的確に捉え,その相互関係を分析することの重要性が増してきてい る.そこで本研究では,東京工業品取引所における2005年10月4日から2005年12 月30日までの原油,ガソリン,及び灯油の3種類の商品先物に着目し,これら3つ の相互関係をde Jong and Nijman (1997)の手法に基づき分析する.この手法 は,観測された収益率のクロス積を,そのラグに対応する1分,5分あるいは10分 といった時間単位ごとの取引数に回帰させることにより,それらのクロス相関を 推定する.