Abstract

概要:ブラック・ショールズ式に基づくインプライド・ボラティリティ(BSIV)は、 権利行使価格毎に値が異なるため、ボラティリティの変動や期間構造の特徴を簡潔に 把握するのに適していない。これに対して、米国VIXが依拠する理論に基づいて算出 したモデル・フリー・インプライド・ボラティリティ(MFIV)を用いると、インプ ライド・ボラティリティ、およびその期間構造をひとつに特定できる。こうした特徴 を踏まえ、日経225株価指数オプションの取引データから日次でMFIVを算出し、MF IVの変動およびその期間構造を分析した。また、MFIVと実現ボラティリティを用い ると、可変ボラティリティに対するリスクプレミアムを簡便に推定することができる。 講演では、さらに、当該手法を金融危機前後の日米欧のリスクプレミアムの連動性の 分析に応用した結果を紹介する。