Abstract-2015071001


Abstract

確率微分方程式のある新しい2次の弱近似法(2次の離散化法)とその数値計算結果等について報告する. 特にファイナンスのプライシングにおいて現れる拡散過程やペイオフ関数を対象とした離散化法を与える.
本方法の特徴としては以下が挙げられる.
• ペイオフの性質(regularity)に応じて, 適した2次の離散化法が与えられる.
• 伊藤公式とマリアバンの部分積分公式しか用いない.
• 2次の弱近似法なので, オイラー-丸山近似より期待値の離散化の精度が良い.
• KLV法 (Kusuoka-Lyons-Victoir) と異なり, 各離散グリッドごとに常微分方程式は解かない.
• ブラウン運動の多項式の計算が必要になる. ただし, 多重確率積分の計算は実装上要らない.
また, 滑らかさを持たないペイオフ関数に対して「局所化」のテクニックを導入して効率的な「準2次」の離散化法を構成する. (「準2次」とは2次の離散化に極めて近い, という意味.) 準2次の離散化法は, 理論オーダー評価により2次の離散化法よりやや悪いことが分かるが, 2次の離散化法と比べて簡単に実装することができるというメリットがある.
ローカルボラティリティモデルに対する数値計算の結果により, 本発表の2次の離散化法がオイラー-丸山法より精度が良いことを確認し, また, 2次と準2次の離散化法の精度が「極めて近い」が, 準2次の方が「やや悪い」ことを確認した.