II.教育活動

2. 学位授与・卒業生進路

表II-1に学位授与数を示す。大学院重点化後における最大の問題は,博士学位授与数,とりわけ課程博士学位の質を維持しつつ,その授与数をいかに増やしていくかということである。表II-1から明らかなように,大学院重点化開始以降(1997-98年度)における課程博士学位授与数はそれ以前と比べて増加したが,今後も引き続き学位授与数を相応の水準に維持していくことが求められる。そのためには,大学院カリキュラム体系の整備,論文作成指導・審査の充実および効率化の工夫を進め,また学生の意識改革への働きかけを強めることが必要であろう。そうした目的から,本研究科では2001年度より順次,博士後期課程の院生に対する論文指導委員会の設立,博士学位論文計画書(プロポーザル)の提出の義務化,博士論文提出予定者への公開ワークショップでの報告義務付けなど,院生がなるべく早い時期に博士論文を提出できるような制度の整備を進めてきた。

就職に関しては,これまで,修士課程を修了して就職した者(主に,修士専修コース卒業生)は官公庁,民間研究機関,銀行・証券など,多岐にわたる分野に就職している(表II-2)。大学院部局化により修士課程修了者が大幅に増加するなかで,本研究科は課程修了者の就職を積極的に支援していくための体制を整備していくことが必要である。他方,学部学生の大部分は卒業後,民間企業に就職している。金融関係企業(銀行,証券,保険)への就職者が多く,官公庁就職者の比率が小さいことが本学部の一貫した傾向である(2005年度の進路状況をまとめた表II-3参照)。


表II-1:学位授与数

  学士 修士 博士
課程博士 論文博士 合計
2002年度 253 70 2 3 5
2003年度 274 72 5 11 16
2004年度 271 77 6 7 13
2005年度 291 78 5 9 14
累計 1089 297 18 30 48


表II-2:経済学研究科修士課程修了者の進路状況(2005年度)

就職した者     46人
  内訳    
    官公庁 2
    銀行・証券 15
    製造業 9
    情報・通信 3
    その他 17
博士課程に進学した者   21
その他   11


表II-3:経済学部卒業後の進路状況

内訳
銀行・金融・保険
88
製造業
44
情報・通信
17
マスコミ
13
貿易・商事
6
建設・不動産・運輸
14
ガス・電力・石油
13
サービス業
19
官公庁
10
進学
23
その他
40
合計 287
(一橋大学 大学案内 2006 より)