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現代数学基礎CIII(複素関数続論) (2013年度後期・金34・川平 友規担当)

前期の複素関数論から引き続き,正則関数(複素解析的関数)の理論を学びます.
(講義で配布したプリントをまとめたものはこちらです→ 13W-kansuron.pdf

第14回(2014/1/31) 期末試験
● 11回目ぐらいまでが一応の試験範囲ですが, レポート問題を中心に復習しておいてください.
● 無事終了しました.平均点は63.7点でした.

第13回(2014/1/24) 正規族とリーマンの写像定理
● 正規族の定義を復習したあと,アスコリ・アルツェラの定理. 証明の対角線論法のあたりまでで最初の休憩.
● 証明を完了(といっても同値性の半分だけ). さらに正則性を仮定してモンテルの定理を証明.2回目の休憩.
● リーマンの写像定理はエライ!ということを説明した後, 有界単連結領域の場合で定理を証明(スケッチ).
● 講義アンケートをやりました.

第12回(2013/1/10) 有理関数と有理形関数
● リーマン球面,有理形関数を復習. 「極のまわりの点が無限遠点の近傍にどのように写るか」 を説明したあと,リーマン球面内の領域からリーマン球面への写像が「正則」であることの定義をしました.
● メビウス変換に関するビデオ("Moebius Transfromation Revealed")を見せました. さらにリーマン球面からリーマン球面への正則写像が有理関数に限ること, いわゆる正則自己同型はメビウス変換に限ること, さらにリーマン球面から複素平面への正則写像は定数であることを証明なしで説明しました.
● 正規族の定義をやりました.

第11回(2013/12/20) リーマン球面とメビウス変換
● 最初に幾何の問題:「互いに外接する3つの円にたいし, そのすべてに外接する円とそのすべてに内接する円が存在することを示せ」を提示. 少し考えてもらう間にプリント印刷.(今回はカラーで印刷しました.)
● 前回の補足として (1 + z) の複素べきの級数展開を紹介. つぎにリーマン球面を導入しました.10分休憩.
● つぎに平面上の円または直線がリーマン球面上の円に対応することを証明. 10分休憩.
● 最後に駆け足ですがメビウス変換を定義し, リーマン球面の同相写像であること,円を円にうつすことを証明しました. 最後に冒頭の問題に解答をあたえて,おわり.(3分オーバー?)

第10回(2013/12/13) 解析接続と多価関数のリーマン面
● 前回の復習を軽くしたあとに, 実2次元写像の逆関数定理から複素正則関数の逆関数定理を証明しました.
● Mathematicaで平方根の像にかんするデモンストレーション. そのあと多価関数のリーマン面の典型例として平方根のリーマン面を解説.
● n 乗根のリーマン面と対数関数のリーマン面を紹介したあと, 対数関数のべき級数展開を原始関数と 1/(1 + z) の級数展開を経由することで証明しました.

第9回(2013/12/6) 一致の定理(2)・最大値原理
● 最初に15分ほど,Mathematicaで複素関数に関するデモンストレーションをやりました.
● 一致の定理の証明を終わらせて最初の休憩.
● 一致の定理の応用として零点が孤立点であることに軽く触れた後, 最大値原理とその系の解説.ここでまた休憩.
● 最大値原理の証明をしたあと, シュワルツの補題の主張のみを紹介. 最後に解析接続の定義をして,リーマンのゼータ関数が 平面上の有理形関数に解析接続できることを紹介し, リーマン予想の主張を述べて終了.

第8回(2013/11/29) ルーシェの定理・一致の定理
● 前回の復習.有理形関数の定義と偏角の原理の主張を確認. そのあと,なぜ「偏角の…」なのかを説明,休憩
● ルーシェの定理とその応用を説明.Mathematica で円の多項式による像を描いてみせました. そのあとルーシェの定理の練習問題をひとつやってもらって,休憩
● ルーシェの定理の証明.一致の定理の主張を書いて時間終了. 証明はまた来週.

第7回(2013/11/22) 実積分への応用2・偏角の原理
● 実積分への応用として,cos x /(x^2 + 1) の広義積分をやりました. つぎに,sin x /x の広義積分を計算する途中で最初の休憩.
● sin x /x の広義積分を計算し終わって (細かい式変形は次回のレポート問題にしました) 有理形関数,零点,極の位数を定義.ここでまた休憩
● 偏角の原理の主張と証明をして,広義,じゃなくて講義終了. なぜ「偏角」なのかの説明まではできなかったので,来週へ.

第6回(2013/11/15) 留数定理の実積分への応用
● ローラン展開と留数定理を復習したあと, 孤立特異点の分類について解説.1時間経過.
● 留数の計算方法をふたつ(「ローラン展開を頑張る」「公式に頼る」) 解説.さらに1時間経過.
● 実積分への応用をふたつ.ひとつは三角関数を含むもの. もうひとつはレポート問題で出した問題を部分分数分解を使わずに計算する, というもの.

第5回(2013/11/1) ローラン展開・留数定理
● テイラー展開の復習と具体例をやりました.ここまでで1時間経過.
● ローラン展開の具体例と証明をやりました.さらに1時間経過.
● 留数の定義と留数定理の証明,積分への簡単な応用をやって今回は終了. 次回は(先を急がず)実積分への応用をみっちりやりましょう.
● 講義アンケートをやりました.受講者のみなさん,回答ありがとうございました.

第4回(2013/10/25) 一様収束と微分積分・テイラー展開
● 一様収束を定義して,連続性の保存,線積分の収束性までやったところで1時間.
● ワイエルシュトラスの定理とその証明,応用例までやったところでまた1時間.
● テイラー展開の証明でまた1時間. (板書に書き間違いがあり,講義終了後に指摘してもらいました. 来週の講義とプリントでは訂正しておきます.) 具体的な計算はあまりできませんでした.

第3回(2013/10/18) 積分公式の応用
● 積分公式2(n 階微分の積分公式)を証明なしで復習したあと, 正則関数にはn 階導関数が存在し正則であることを証明しました. また,積分公式2を積分計算に応用できる例をひとつだけやりました. ここまでで約1時間.
● モレラの定理の証明と原始関数の例をやりました. ここまででさらに1時間.
● リュービルの定理の証明と代数学の基本定理の証明をやりました.

第2回(2013/10/11) 積分定理・積分公式の応用1(実積分など)
● 積分定理に出てくる用語(単連結領域,単純閉曲線など)の確認をしました. 応用として基本公式の導出,実積分の計算をやりました.
● 「正則とはかぎらない」C1級関数の場合にまで一般化された積分定理として 「グリーンの定理(複素版)」を紹介しました. それにかこつけて,z偏微分,z-bar 偏微分の記号を導入し, コーシーリーマンとの関係を解説しました.
● 積分公式の確認とその一般化としてポンペイユの公式を紹介しました. 証明はプリントで.

第1回(2013/10/04) ちからだめし(前期の復習)
● シラバスを配布し講義の説明とTAさんの紹介をしました.
● 前期の復習として「ちからだめし」問題を計40分ほどでやってもらいました.基本的な問題ばかりでしたが忘れてしまっている人も多かったようです.
● 残りの時間で問題9まで解説しました.

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