前期の複素関数論から引き続き,正則関数(複素解析的関数)の理論を学びます.
(講義で配布したプリントをまとめたものはこちらです→
14W-kansuron.pdf
)
(参考資料:
2013年度の本講義)
第13回(2015/1/27) 期末試験
● 無事終了しました.
第12回(2015/1/20) リーマン球面とメビウス変換
● まずリーマン球面とその距離について解説.
● 複素平面上の円または直線がリーマン球面上の円となることを解説.
● メビウス変換を導入し,メビウス変換が円を円にうつすことを証明.
応用として幾何学の問題(互いに外接する三円に内接・外接する円の存在)を
ときました.
第11回(2015/1/13) 解析接続とリーマン面
● まず「解析接続」の定義と具体例,一意性に関する説明をしました.
● 「解析接続」から生じる正則関数の多価性の具体例(平方根)について解説.
● 平方根のリーマン面を複素平面の切り貼りで構成しました.
第10回(2014/12/16) 一致の定理・最大値原理
● 一致の定理の証明からスタート.
● ルーシェの定理のMathematicaによるデモンストレーションを見せました.
最大値原理の主張と応用を解説.
● 最大値原理の証明.そのあと,パソコンで正則関数の絶対値のグラフを見せました.
第9回(2014/12/2) ルーシェの定理と一致の定理
● 「偏角の原理」の名前の由来を説明しました.
● ルーシェの定理を解説・証明(「偏角の原理」を用いる)しました.
● 「一致の定理」の意義と応用について解説しました.
第8回(2014/11/25) 実積分への応用2・偏角の原理
● (sin x)/x の広義積分の計算(「留数の半分」が出てくるやつ)
をスケッチ.
● 正則関数の拡張としての有理型関数の定義.
極と零点の位数を定義.
● 偏角の原理の主張と計算例,証明をやりました.
第7回(2014/11/18) 実積分への応用
● 留数定理を復習したあと,留数の計算公式をふたつ紹介.
● 留数定理の実三角関数1/(5 + cos x) の積分への応用.
● 有理関数 1/(1 + x^4)の広義積分への応用.
● 超越関数 (cos x)/(1 + x^2) の広義積分への応用.
第6回(2014/11/11) 留数定理
● 前回やり残した「ローラン展開の一意性」の証明を解説しました.
● 孤立特異点の分類と留数の定義,具体例をやりました.
● 積分との関連,留数定理の定式化と具体例をやりました.
実積分への応用は,来週に.
第5回(2014/11/04) ローラン展開
● 関数列の「広義一様収束」を定義して,
テイラー展開がじつは収束円上で広義一様収束すること,
「ワイエルシュトラスの定理」
(正則関数列が広義一様収束すればその導関数も広義一様収束)を証明.
● Mathematicaでべき級数を視覚化するプレゼンテーション.
そのあと,ローラン展開の証明.
● ローラン展開の一意性について解説.
具体例の計算.
第4回(2014/10/28) テイラー展開と一様収束
● 「積分公式」を復習したあと,べき級数とテイラー展開について解説.
「積分と無限和の交換」を認めた上で証明を終わらせて,
具体例をいくつか計算.
● 一様収束性を定義.そのとき,連続性が保存されること,
積分の値が収束することを解説.
● テイラー展開で「積分と無限和の交換」が許されることを確認しました.
第3回(2014/10/21) 積分定理の応用
● 前回の復習として「積分公式」「積分定理」を述べた後,
「高階微分の積分公式(グルサの公式)」の証明をスケッチ(詳細はプリントで)して最初の休憩.
● 次に「モレラの定理」を証明.原始関数の考え方を説明して2回目の休憩.
● 「リュービルの定理」,「代数学の基本定理」を証明しました.
第2回(2014/10/14) 積分定理と積分公式
● まずは「積分定理」の確認.
「単連結領域」「単純閉曲線」など,
必要な言葉づかいをイチから確認.ここまでで1時間.
● つぎに「積分定理」の応用.
積分路の変形,基本公式2を解説.
そのあと,三角不等式とML不等式(と勝手に命名,
線積分の絶対値評価式のこと.)を紹介.
● 最後にコーシーの積分公式とその証明を解説.
残った時間で「グルサの公式」(高階微分の積分公式)
の主張を述べて,
系として「正則関数の導関数は正則」を証明しました.
「グルサ」の証明は来週やる予定です.
第1回(2014/10/07) ちからだめし(前期の復習)
● 講義の概要を説明しTAさんを紹介.
そのあと1時間かけて「ちからだめし」テスト.
内容は「『正則関数』の定義は?」といった確認問題と基本的な計算問題.
● のこりの2時間で「ちからだめし」の解説.
前期の復習(「積分定理」までしかやらないことになっている)だけではなく,
正則関数の定義やコーシーの積分定理の主張など,
「言葉づかい」を統一するのが主な目的でした.