1変数および多変数の関数について,微分積分学の基礎を学びます.
現在,講義で配布した資料はOCW-iでのみ公開しています.
(参考: 4Q の同一科目)
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第1回(2020/10/1) 数列の収束と上限・下限
誤差の話から数列の収束性のε-N 式の定義を説明.
簡単にその性質を確認したあと,急ぎ足で上限と下限について
「次回予告」しました.
第2回(2020/10/6) 実数の連続性,単調列,コーシー列
数列の極限の値を知らない状態で,いかにして極限の存在を保証するか?
という問題をテーマに,実数の連続性の公理(上限・下限の存在),
有界単調列の収束,区間縮小法の原理について解説しました.
コーシー列については次回にまわそうと思います.
第3回(2020/10/8) 関数の極限,連続性,最大値
前回やり残したコーシー列について,ゆっくりめに詳しく解説.
そのあと,ε-δ式の関数の極限の定義,
連続性の定義,および閉区間における最大値の存在について解説しました.
講義プリントには中間値の定理についても書きましたが,
そちらはまた次回に.
第4回(2020/10/13) 中間値の定理,ロルの定理,平均値の定理
中間値の定理を方程式の数値解法という視点で解説.
ロルの定理,平均値の定理に証明を与えて,
平均値の定理の応用(微分が 0 なら定数関数,など)やりました.
第5回(2020/10/15) テイラー展開
高階導関数やC^n級関数の概念を定義し,
テイラー展開の意義と主張を述べました.
ちなみに,ロピタルの定理をやるのを完全に忘れていました.
次回少し触れますが,ロピタルの定理はデリケートなので,
あまり頼らないほうがよいと考えています.
第6回(2020/10/20) テイラー展開の応用
テイラー展開の証明を解説したあと,
テイラー展開の例として指数関数のマクローリン展開,
e の近似計算,三角・対数関数のマクローリン展開,
テイラー級数の話をやりました.
最後に,ロピタルの定理の紹介をしましたが,
無批判的に使ってはいけない,という警告だけして終わりました.
詳しくは第4回目のプリントのほうをご参照ください.
第7回(2020/10/22) 定積分
前回のアンケートに対する回答のあと,
前回のテイラー展開のごく簡単な復習.
一様連続性の定義と具体例,十分条件(閉区間上の連続関数は一様連続)
について解説,さらに
積分可能性の厳密な定義とその十分条件(閉区間上の連続関数は積分可能)
について解説.
最後に,リーマン和と定積分の誤差に関する定理を述べておわりました.
証明は省略してしまったので,興味のある方はプリントのほうをご参照ください.
第8回(2020/10/27) 点集合・多変数関数の極限と連続性
前回のアンケートに対する回答のあと,
一様連続性と定積分について復習.
そのあと,n次元ユークリッド空間の基本性質と
開集合・閉集合・領域の定義などをやりました.
極限や連続性についてはさらっとふれただけになってしまったので,
次回ちゃんとやります.
第9回(2020/10/29) 多変数関数の微分
前回のアンケートに対する回答と復習(極限や連続性を定義)で約40分.
全微分と偏微分を定義したところで終わりました.
第10回(2020/11/5) 合成関数の微分
前回のアンケートに対する回答と前回の補足(C^1級なら全微分可能など).
つぎに,合成関数の微分について,勾配ベクトルを用いて説明.
テイラー展開の話まで到達できませんでした..
第11回(2020/11/10) テイラー展開と極大・極小
アンケート自由記載欄への回答をしたあと,前回の復習.
2次の1変数テイラー展開を用いた極大・極小の判定法を紹介したあと,
2次の2変数テイラー展開の再解説,証明のスケッチ,具体例をやりました.
また,これを用いた極大・極小・鞍点の判定法を紹介しました.
次回は判定法の具体的な活用方法について考えます.
第12回(2020/11/12) 級数の収束・絶対収束
前回のクイズ自由記載欄への回答と前回の復習.
極大・極小・鞍点の判定法を具体的な例に適用してみせたあと,
複素数列が定める級数の収束・発散・絶対収束についてその定義と意味を学びました.
第13回(2020/11/17) べき級数
前回のクイズ自由記載欄への回答と前回の復習.
べき級数による指数関数の特徴づけを行ったあと,
収束半径の定義,コーシーの判定法,
べき級数の微分積分について解説しました.
第14回(2020/11/24) 期末試験
オンラインで期末試験をやりました.
そのあと,講義アンケートを提出いていただきました.
受講者のみなさま,おつかれさまです.