2007年度日本国際経済学会関東支部大会
学術シンポジウム
「アジアの地域経済統合と環境問題」

開催趣旨

 世界銀行は、4月5日に発表した報告書の中で、2007年度の東アジア地域(日本を除く)の経済成長率を7.3%と予想し、やや減速気味ではあるものの、1997年の金融危機を脱して堅調な成長を回復したとみています。成長を牽引している中国については、10.7%と予想していますが、他方で、中国には「世界で最も公害が深刻な30都市のうち20都市」があり、「急激な成長に伴う深刻な環境問題などに取り組む新たな戦略が必要」と指摘し、「対応を間違えれば成長が鈍化する」と警告しています。
 東アジアの経済成長を支えているものは、この地域における貿易と投資の自由な往来であるといえます。域内貿易比率は年々高まり、今や輸出では50%を超え、輸入では60%とEUに接近しています。中でも中国の存在は大きく、2004年に輸出入規模とも世界第3位になりました。域内貿易の増大は、この地域への活発な外国投資にも起因しています。このように、この地域で市場メカニズムによる経済統合が急速に進んでいますが、他方で、二国間あるいは数カ国間での制度的な経済統合を目指す動きも活発です。
 インドを含めてダイナミックな経済成長を遂げつつあるアジア経済ではありますが、世界銀行の指摘にもあるように、環境問題の拡大に懸念が集まっています。環境問題への懸念は、特に中国やインドに向けられていますが、先進国にキャッチアップを成し遂げるため急速な工業化を推し進めたアジア地域では、都市化が進み、モータリゼーションによる大気汚染とそれによる健康被害の発生、鉱山開発に伴う自然破壊や廃棄物の放置や未処理、砂漠化や海洋汚染など、環境汚染が広がっています。本関東支部大会では、このようなアジアにおける貿易・投資を通じる経済統合と環境問題について、専門家の報告と討論そしてフロアからの議論も交えて、理解を深めて行きたいと考えています。
 また、昨年の関東支部大会同様、午前中には院生を中心とする若手研究者による自由論題分科会を設けています。仙台の地でありながら、大勢の応募者がありましたので、3つの分科会を設けることになりました。
 皆様の積極的なご参加を宜しくお願い申し上げます。

開催概要

日時

2007年7月21日(土) 10:30〜17:00 (開場: 10:00)

会場

東北大学 青葉山キャンパス 青葉記念會舘
研修室 401 (共通論題),研修室 602、603、702 (自由論題分科会)

会場(東北大学)へのアクセス方法等詳細はこちら

主催

日本国際経済学会関東支部

プログラム

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